若者2人が四国へと旅行に出かけた。








目当ての観光地を回って、四万十川を見学した後に旅の最終目的地である愛媛の道後温泉へとレンタカーを走らせた。



日も傾き始めた夕方、人気の無い山道を走っていると、車道に何かが横たわっているのを発見する。それは微かに動いており、どうやら生き物らしい。



動物だ!!と気づいたときには既に遅く、動物の上にタイヤがのってしまっていた。瀕死の状態であった動物に止めの一撃を加えてしまったのである。



急いで車から降りて確かめると動物は絶命していた。その生き物の大きさは大型の猫くらいで、しかし毛並みは妙につるりとして猫らしくなかった。



ちょうど頭の部分をタイヤで踏みつけてしまっていたので、結局何の動物か分からなかった。



2人は動物に手を合わせ一応警察に電話をした後、道後温泉で1泊した。翌日、東京への飛行機に乗るために松山空港に向かう。



松山空港に着くと壁に県の動物という紹介でニホンカワウソが描かれてあるのを発見する。



「昨日轢いてしまった動物はカワウソだったのか」

猫にしては異様に毛がつるりとしていたなあと、違和感を覚えていた2人は納得して帰路についた。



東京に帰って、四国での出来事や記念写真を友人に見せた。そして山道でカワウソを轢き殺してしまった話をすると「はいはい・・・」と、友人達はなぜか相手にしてくれない。



あの毛並みは確かに猫や狸ではなくカワウソで、愛媛県の県獣となっていることも友人達に説明した。



「お前ら知らないの?」



2人はこのとき初めて1979年以来ニホンカワウソの目撃例はなく、幻の動物となっていることを知る。