遠洋に出て長期間の漁を続ける場合、閉鎖的な環境や対人ストレスから頻繁に争いが起こるので、船員をまとめる船頭の統率力が大切である。








船は狭く閉鎖的ではあるが、一つの社会である。社会の長である船頭の統率力は、船から出た死者の数に反映される。



船で発生した死亡事故の中には、本当に事故で亡くなった場合と、そうでない場合がある。つまり表向きには事故死扱いだが、実際には殺されたというケースがあるということだ。



大型の漁船だと、多くの人が集まって過酷な漁が成り立っているのだが、中には秩序を乱す者が出てくる。

再三の注意にも耳を貸さず、いつも仕事は手抜き、他の船員達との争いが絶えず雰囲気を悪くする。



只でさえ船の仕事は楽ではない。苛酷な遠洋行業で、著しく秩序を乱す船員の存在は迷惑を通り越す。そして、秩序を乱す問題ある人物は“事故死”することが多い。



例えば、陸から遠く離れた船の上で、誰かに荒れ狂う海に突き落とされたとしても、口裏を合わせればそれは単なる事故とみなされる。



仲間とグルになって、北海の海にはみ出し者を突き落とす。陸に上がったら口裏を合わせて、事故を装う。そうなると事故か殺人か、もはや確かめようがない。



「船で死者を出したことがない」というのが船頭にとって誉れなのは、仲間同士で殺し合いをさせないだけの人徳と統率力を有していることを示す隠喩でもある。














日本一のマグロ船から教わった!マネジメントとリーダーシップの極意 ・自分の能力を磨くより、人の能力を認める言葉を数多くかけましょう。 バイオ系メーカーの研究者だった著者は、ワンマン上司の思いつきで、なぜかマグロ船に乗せられることに。そこは荒れる洋上。しかも狭い船内で40日間以上も生活するという過酷な職場。ところが、なぜか漁師たちは毎日楽しそうに、お互いに助け合って働いていた……。