冬山登山で山に入ったカップルが下山して来ないという通報があった。








大規模な捜索が開始され、捜索隊が発見したときには二人寄り添う形で冷たくなっていた。



山から運び出された二人の遺体は安置所へと運搬するため、待機していた救急車に乗せられた。



・・・・



運搬中の救急車内でのこと、衣擦れのような物音が遺体の方から聞こえて来る。



気になった救急隊員は車を停めて、遺体がある後部席を覗き込んだ。



すると遺体を固定するバンドが外れており、二人の遺体は手を繋ぐ形で固まっていたのだった。



バンドが外れて偶然に手が絡まったのだろうか・・・・



再び二人の遺体をベットに固定して車を走らせた。



安置所に到着して、さて遺体を降ろそうかという時のこと、二人の遺体はまたもや手を繋いでいる。



お互いの腕を一本づつ出し合う形でしっかりと手が繋がれていて、やはり固定バンドは外れていた。



このままでは上手く運べないので、二人の手を離そうと試みたが、今度はがっちりと繋がれていてなかなか離れない。



力任せに引っ張れば二人の手を解くことが出来た。しかし、死後も寄り添いたいと願うカップルの気持ちを酌んだ救急隊員は、手は繋がれたままで二人の遺体を安置したのだった。