北海道を車で旅行するとよく目にするのはキタキツネが車道に現れてエサをおねだりする光景である。










車道に現れるキツネの可愛らしさに観光客はついついスナック菓子やパンを与えてしまう。



こういったキタキツネは人に慣れてしまったいわゆる「観光キツネ」である。







餌付けされたキタキツネは油が多くカロリーの高いスナック菓子の影響で糖尿病になったり、消化不良で体の抵抗力が弱まり冬を越せずに死んでしまう場合がある。





一時期、キタキツネの間に疥癬という皮膚病が流行ったが、その流行の一因に観光客による餌付けがあったと言われている。






餌付けによって多くのキタキツネが集まり、病気に罹っている個体と接触して感染が拡大したこと。そして、スナック菓子で体の抵抗力が弱まったことが流行を拡大させたとされる。





疥癬で毛が抜けてしまったキタキツネには北海道の冬はあまりに厳しい。





寒さに耐えかねたキツネは暖を求めて牛舎や物置など人が生活をする場に入って来てしまう。冬の家畜舎では皮膚病のキタキツネの死体がよく見つかるらしい。






これは人が住む領域にエキノコックスの卵を持ち込むことになり、井戸水や周囲の山菜が糞で汚染されてエキノコックスに感染するリスクを高める結果となっている。






疥癬らしきキタキツネ

クリックすると拡大写真




















エキノコックスは宿主動物の糞便に含まれる虫卵が原因であることは判っているが、人へのはっきりとした感染経路は不明というのが何とも不気味である。





この寄生虫エキノコックスがヒトに感染すると肝臓が壊死したり、数十年の経過で虫の入った袋が体内でバレーボール大に肥大するという恐ろしい症状を引き起こす病気である。





過去に某動物王国が本州に上陸した時期があったが、キタキツネと接触があったと思われる動物と共にエキノコックスも本州に上陸したのではないか?という危険性が指摘されている。






エキノコックス成虫

多包条虫



エキノコックスが寄生し組織が壊死した人の肝臓

エキノコックスが寄生し組織が壊死した人の肝臓

放置すると90%以上が死亡









エキノコックスとは?