T大の生物学実習では、ウニの発生を観察するために人間の精子を使います。












各班から男子一名が代表してトイレに行き、自分の精子をビーカーに回収してきます。



 



 



もちろん、班には女子もいます。ビーカーが実験室に届くと、はしゃいでビーカーを覗き込んだり匂いを嗅いだりする娘がいます。



 



 



機械的に作業を進める娘や、笑って見ているだけの娘もいます。彼女たちの表情を観察するのは、ウニの発生より断然面白いのですが、真面目にレポートを書かないと単位がもらえないので、男子も真剣に顕微鏡を覗きます。



 



 



普通、発生は途中で止まるのですが、極めて低い確率でウニまで育つものがいるようです。



 



過去に二度だけ、極めて幸運な院生がウニを引き取り、研究に使ったそうです。T大の、ある研究室の標本庫には、人間の父親をもつウニの標本が、今も眠っているのです。



 



人間になれなかった魂と共に…