小学生が
多く通る通学路の道路で、黒猫が車に轢かれて死んでいた。


目立った外傷の無い黒猫の死体は眠っているかのようであった。


小学生達はひかれてしまった猫を憐れんで、亡骸を取り囲むと手を合わせては口々に「かわそう」と呟いていた。







そこに、一人の男子児童が通り掛かり「かわいそう」と言って、猫の体を撫で始めた。


憐れみと興味本位で猫に群がって小学生達はみんな帰って行ったが、その子一人は「かわいそう」と口にしては猫の体を撫で続けていた。


近所に住むおばさんがその光景を見て
「あまり同情をかけると動物霊に取り憑かれるよ」と言ってその子を諭した。


すると男の子は
「死んで寂しがっているから撫でてあげると喜ぶんだよ」そう言うと、もぞもぞとカバンの中から小さなぬいぐるみを取り出した。



そしてぬいぐるみの背中やお腹を撫で撫でしておばさんに手渡した。


ぬいぐるみは3~4cmくらいの大きさで、ネズミのような形をしている。表面は硬い毛で覆われており、お尻からはチェーン伸びていて、先には鍵が付けられている。どうやら家鍵のキーホルダーのようだ。


「飼ってたハム(ハムスター)をお父さんがキーホルダーにしてくれたんだ。寂しくないようにいつも撫でてあげなさいとお母さんが言ってたよ。」



ぬいぐるみと思っていた物は、実は飼っていたハムスターのはく製であるらしい。


「誰にも見せるなって言われてるからおばさん秘密にしておいてね。」