あるお宅の娘がペットのインコをゲージから出して遊ばせていた。
ちょうど夕飯時でお母さんはご飯の支度をしている。あと30分もすればお父さんが帰ってくる。
「もう少しで夕飯だからピピちゃんをゲージに入れなさい」
お母さんは娘に注意をした。
しかし、娘はテレビに夢中になって話が聞こえていない。
しばらくしてお父さんが職場から帰って来た。お母さんと娘は玄関まで出迎えに行く。
お父さんはすぐに香ばしい匂いに気づく。
今日の夕飯は家族のみんなが大好きな唐揚げだ。
みんなもりもり唐揚げを食べる。ひとつだけ一際大きい唐揚げがあり、それにお父さんが箸をつけた。
「がり・・・」
噛むと何ともおかしな感触がする。「お母さんこれ火が通ってないよ」と肉を吐き出してゴミ箱に捨てた。
食事が終わると娘がピピちゃんの姿が見えないと騒ぎ出した。
それ以来、インコの姿を見て居ない。
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