ジブリアニメ『千と千尋の神隠し』の終盤に登場する海上を走る電車。その駅のホームでは『火垂るの墓』の節子が一人で佇んでいるという。





一人佇むおかっぱ頭の女の子









海上を走る海原電鉄で銭婆の家に向かう途中、沼原駅のホームで女の子が一人で誰かを待っている。





他の乗客と同様に体は半透明で顔もよく分からないが、このおかっぱ頭の女の子は『火垂るの墓』の節子であるという。





海原電鉄の乗客は戦前から戦後を思わせる服装で、乗客たちは戦時中の空襲などで亡くなった人々であるという。





節子は兄の清太より先に亡くなっており、戦後まもなくして兄は駅舎で餓死したのだが、この世に後悔や未練を残して亡くなった兄の霊は現世に留まっている







海原電鉄あの世の電車であり、先に着いた節子は沼原駅のホームで兄が迎えに来るのを待ち続けているという。









釜爺からもらった海原電車の回数券





沼原駅のホーム









[節子と清太は再会できている]



沼原駅で節子が兄を待っているという話であるが、これは事実とは異なるようである。



『火垂るの墓』の冒頭では兄は死に、一人で駅にいるような描写であるが、終盤のシーンでは二人の魂は寄り添い小高い丘から現代の神戸の街並みを眺めている。





兄の膝を枕にして節子は眠りについて、高度経済成長を遂げた神戸の夜景をバックにエンドロールが流れる。





『火垂るの墓』の終盤で寄り添う二人









[千尋の友達の理砂ちゃんか?]



作品中に出てくるおかっぱ頭の女の子と言えば、冒頭シーンで似顔絵が登場する理砂ちゃんという名の友達がいる。





転校前の学校や友達が忘れられず、気力を失っていた千尋であったが、神隠しの世界で経験した出来事により、生きる力を取り戻していくというのが作品テーマの一つである。





そして海上電車から見える風景は千尋の心象風景とも考えられる。



千尋を乗せた電車は理砂ちゃんを通り過ぎて行くのだが、これは前の学校や友達との別れに気持ちの整理をつけたことを意味している。





沼原駅の女の子のシーンは、無気力から脱して、新しい環境で頑張ろうとする千尋の気持ちを表わす場面なのかも知れない。








通り過ぎて行く沼原駅の女の子





花束に添えられた理砂ちゃんからのメッセージ








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