ペットボトル容器が多くの人の健康を害しているという都市伝説。





①ペットボトルからダイオキシンが溶出






暑い車内に放置されているペットボトル飲料が乳がんの原因となっている

そう、
注意喚起するチェーンメールが米国で出回りました。







チェーンメールの冒頭部分は、乳がんを患った経験がある米国の女優シェリル・クロウについてです。





車内に放置したペットボトルが乳がんの原因となった』と有名トーク番組『エレンの部屋』でシェリル・クロウが語ったとされます





シェリル・クロウの腫瘍内科医の話によると暑い車内で放置されたペットボトル飲料は容器からダイオキシンが溶出しているので女性は飲んではいけないということです。





ダイオキシンは乳がん組織中から高濃度で検出される物質で、乳がんを引き起こす主な原因となっている。



高温にさらされたペットボトル飲料にはダイオキシンが溶け出しているので、決して飲んではいけないと
腫瘍内科医は語ったとされます。







チェーンメールの後半部分では、ウォルター・リード陸軍メディカルセンターで閲覧されているというプラスチック容器の毒性についての情報が記載されています。



その情報には

「プラスチック容器やラップ類を電子レンジで加熱しない」

「プラスチック容器を冷凍しない」


といった禁止事項が列挙されています。





ダイキオキシンは癌(特に乳がん)の原因となる。そのダイオキシンはプラスチックの加熱や冷凍によって食品中に溶出するということです。





また、米国キャッスル病院の健康づくりプログラムの責任者もプラスチック容器の有害性について、TV出演時に警鐘を鳴らしたとされます



TV番組で責任者が語ったのは、プラスチック容器を調理や盛り付けに使用してはいけないということです。



なぜ危険なのかというと、脂肪と高温の組み合わせはプラスチック中のダイオキシンを特に溶出させるからで、加熱した食品を取り扱う場合にはパイレックスの容器や陶器を使用する必要があります。





そして、電子レンジで食品を加熱する際に
食品用ラップフィルムを使用すると、有害物質を多量に含んだ水滴が食品に落下する危険性があります。このため、高温の食品を取り扱う際には、ラップ類の代わりにダイオキシンを含まない紙を使用するべきと主張したとされます。













②ペットボトルから環境ホルモンが溶出(ペットボトルに熱湯は禁物!)



ペットボトルを消毒するため熱湯で洗うと、かえって体に有害になる。



  米オハイオ州シンシナティー大のスコット・ベルチャー博士(薬理学、細胞分子物理学専攻)率いる研究チームは「ペットボトルを熱湯ですすいだ場合、最高55倍のビスフェノールA(BPA)が検出される」という事実を明らかにした。



  BPAは、プラスチック飲食容器や食品用の缶の内側の樹脂に含まれる環境ホルモン物質で、乳がんや前立腺がんを誘発するものとして知られている。



  ベルチャー教授の研究チームが今回の調査を実施したのは、ペットボトルやプラスチック容器を洗って再利用するケースが多いからだ。



  研究チームが、新しいペットボトルと古いペットボトルに水を入れて常温で1週間置いた結果、新しいペットボトルと古いペットボトルに入った水に溶出したBPAの量は平均1時間当たり0.49ナノグラムだった。



  しかしペットボトルを消毒するために熱湯を入れたところ、1時間当たり18.57ナノグラムに増加した。 ペットボトルを冷ました後、きれいな冷たい水でゆすいでも、こうした現象は続いた。






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中央日報/中央日報日本語版より

http://japanese.joins.com/article/835/95835.html?sectcode=&servcode=















[解説]



ペットボトルは塩素を構造中に持たないためダイオキシンの生成はなく、また内分泌かく乱物質であるビスフェノールAも含まれておりません。



中央日報の記事では、
ビスフェノールAを原材料とするポリカーボネート製の容器とペットボトルを混同したものと思われます。





ペットボトルの有害性で問題となるのは、製造過程で生成される
低分子量の環状オリゴマー(PETの基本構造が環状に数個程度繋がったもの)で、熱や物理的刺激によって表層部分に析出する場合があります。





環状オリゴマーの発がん性については不明ですが、それと構造が近いテレフタル酸ジメチルでは、次世代への悪影響が懸念される生殖細胞毒性や発生毒性は認められておらず、動物実験における長期間の投与では呼吸器や腎臓、肝臓などに障害をもたらす可能性が示唆されたのみです。



飲料
ボトル用途のPETは固相重合という方法で製造されるため、環状オリゴマーの生成量は少ないので、ペットボトルによる重大な病気の発生についてはあまり心配することはなさそうです。