商品名が「ガリガリ君」なら、それに見合ったキャラクターが欲しいという理由から生まれたのが、イガグリ頭と大きな口が特徴の「ガリガリ君」。“昭和30 年代のガキ大将”をモチーフに社内でデザインしたキャラクターで、中学3年生の設定だった(現在は小学生)。





初代ガリガリ君





子供を対象にした商品でオリジナルキャラク ターを作るのは珍しくないが、わざわざレトロ感漂うガキ大将を選ぶところが、赤城乳業独特のセンス。一般的に考えればもっと可愛らしいデザインにしたいと ころだが、それではインパクトが足りない。後年、商品づくりや販促における“外し”の感覚は赤城乳業のお家芸のようになってくるが、その出発点が「ガリガ リ君」のキャラ設定にあるのは明らかだ。

ニッポンロングセラー考





ガリガリ君のモデルは戦後復興期のガキ大将をイメージして作られたとされるが、噂では被爆少年がモデルだという。



被爆した後の症状に強烈な喉の渇きがある。しかし、水を飲むと大量に吐血してしまうので、水を飲むことは厳しく制限される。原爆で被爆して、喉の渇きと共に亡くなった少年への供養の意味で、キャラクターの手にはアイスキャンディーを握らせた。





被爆少年と言えば、はだしのゲン。ガリガリ君が発売された80年代には、日教組の推奨漫画ということで、はだしのゲンは学校で堂々と読める漫画となり、ガキ大将=ゲンというイメージが子供達にも浸透する。



ガキ大将であるガリガリ君のイメージには戦後を力強く生きたゲンの姿も重なっているという。